【年の差婚】20才年の差夫婦 三線が繋いだ出会い

20才年の差夫婦のイメージ画像

(※画像は実在の人物ではありません)

32才と12才の出会い

こんにちは。ナビゲーターのFukuです。
今日も「新婚さんいらっしゃい!」に登場したご夫婦のエピソードを題材に、出会いのヒントを探っていきましょう。
今回はニューハーフの「ナオミ」さんにお越しいただいてます。2度目のご登場です。

あら、こんにちわ! わたしナオミ。これまで全国のゲイバーを渡り歩いて、いろんなハニーたちの恋愛を見てきたわ。
夜の世界は色々と濃い人たちが集まる場所だから、恋愛や人生の悩みもディープなの。

お手柔らかにお願いします。では、今回は20才も年の離れた新婚さんです。ミュージシャンのご夫婦です。奥様は父親がバングラデシュ人ということで、タレントのローラさんのように目鼻立ちのはっきりとした美人さんです。

あらま、そんな美人ちゃんが20才も年上のオッサンと結婚したの?一体どういうことかしら…

出会いを遡ると奥様が小学生の頃だそうです。

その男、小学生に恋愛感情を抱いたわけじゃないわよね…

奥様が12才の時の出会いだと言ったら会場がどよめいて、夫はあわてて「当時は恋愛感情はありませんでしたよ!」と言い訳してました。
妻の母が彼のファンで、連れられて行ったライブ会場での初対面だったそうです。

なるほど。母親が沖縄の方で、同郷の彼と親交があったわけね。で、彼女が三線を弾けたので、彼のバンドで一緒に演奏するようになったってことなのね。

そうですね。でも、もし彼女が母親からでしょうか…三線を習っていなかったら、彼との出会いは一度きりの面会で終わっていたかも知れませんね。

そうね。人の運命って不思議よね。その出会いが結婚に発展するなんて、当人同士もまったく考えていなかったでしょうね。

はい。三線が接点になって、その後も一緒に演奏活動の機会が継続していきますが、この期間の「時間と体験の共有」が、二人を結び付ける作用をしたと思うのですが。

それはそうね。共有した時間や体験は人と人を強く結びつけるわ。離れがたくなっちゃうのよね。

抑制の日々

そして、大人と子供として始まった二人の関係に変化が訪れます。
まず、彼女の高校入学祝いにと、彼が誘って映画を観にいったときのことです。
映画の上映中に、彼女が持っていたポップコーンを「食べる?」と彼にすすめて、「うん」と答えると、彼女は彼の口に直接ポップコーンを入れてくれたそうです。
彼はその思いがけない行為に「頭の中が真っ白になった」と語っています。
でも、その時の感情は彼女の年齢を考えて封印したそうです。

それはドキッとしたでしょうね。高校の入学祝いだから彼女が16才かな。彼は36才でしょ。理性の弱い男なら、みさかいなく発情して刑務所行きね。
彼の中にもオオカミは居るはずよ。彼女の無邪気な行動が彼の中のオオカミを覚醒させたのね。頭の中が真っ白なオオカミ。
でも彼の理性はそれをよく抑え込んだわね。
彼は歌を歌う人でしょ?きっと普段から愛について考えているのね。
あなただったらどう?彼のようにふるまえるかしら?

そうですね…たぶん刑務所行きですね。

あらまっ。ダメな男ね!

すみません。
話を二人のストーリーに戻しますが、映画館での一件から程なくして、今度は彼の誕生日のお祝いに、彼女はバンドメンバーと一緒に演奏をプレゼントしました。でも、三線で参加した彼女は上手く演奏に入れずに、悔しくて別部屋の隅で泣いていたそうです。
すると彼がやってきて「気持ちは伝わったから」と彼女を慰め、30分ほど彼女に付き添います。そして、そのとき彼女は「彼といると安心する自分」に気づいたそうです。

そういう瞬間って大事よね。自分が悲しい時、弱っている時に側にいてくれる人って、やっぱり離れがたくなるものよ。心のバッテリーが無くなりそうな時に、いつもそっと電気を分けてくれる人がいたら心許してしまうでしょ。

なるほど!女性が泣いていたら慰めることにします!
でも、元々の信頼関係がなければ気持ち悪がられたりしませんか?

そうね、気持ち悪がられるわね(笑)
でも涼子ちゃんなんかそんなふうにしてあの料理人に惹かれていったんじゃないかしら。交換日記、見た?

「入ってきてくれてありがとう…気持ちくしてくれてありがとう…」てやつですよね。正直、鼻血出ました。
でもそれが、心の電気を分けてあげた結果だとすれば、なかなか強力ですね。

一緒に居て安心する人

心のバッテリーをイメージするの。そして他の誰かから奪うのではない方法で、それを満タン充電しておくの。
例えばサーフィンが好きな人なら、良い波に乗れれば心が満たされるわよね。仲間と海に浸かっているだけでも充電できるんじゃないかしら。それを弱っている誰かに分けてあげるの。
私、本当の大人ってそれができる人だと思うわ。

「心の電気を他の誰かから奪う」っていうのはどういうことですか?

怒りっぽい人や、命令っぽい人と一緒にいると疲れるでしょ。それと、すぐにメソメソする人や、思わせぶりな態度を取る人も周りを疲れさせるわね。
つまり彼等はそうした行為で他の誰かから心のエネルギーを奪っているの。自分のエネルギーが足りなくなると、無意識にそういう行動をとってしまうのね。悪い癖よ。

なるほど。心のバッテリーを意識できていると、心のエネルギーを他人から奪うことをせずに、分け与えることも出来るわけですね。

そう。それが出来る人はモテるわよ。男でも女でもね。パパやママだったら子供にイライラしなくなるわ。でもお互いに与え合うのが理想ね。

なるほど…良い話が聞けました。
話を戻しますが、演奏をしくじって落ち込む彼女に彼が寄り添っている場面ですが、じつはそのとき、彼は泣いている彼女を初めて目にして映画館での思いがよみがえり、再び頭が真っ白になったそうです。
彼女への恋愛感情を自覚した瞬間だったわけですが、彼はここでもまた彼女への思いを封印します。高校生ですからね。

頭の中が真っ白なオオカミね(笑)
でも、確かに悩ましい状況よ。36才が高校1年生に恋愛感情を抱いてしまったわけでしょ。ここまでくると、もうお互いが恋に落ちている感じよね。でも一線は越えられない。彼の理性には感心するけど、扁桃体がオーバーヒートしちゃいそうね。なんかアタシまで興奮してきちゃった。

扁桃体ってなんですか?

脳の真ん中にある感情の中枢よ。恋をして発情すると真っ赤っ赤になって膨れあがるの。

赤くなって膨れあがるんですか…

ウソよ。そんな膨れあがったりなんかしないわよ。でもほら、脳の活性を色で表す装置ってあるでしょ。あれで見ればきっと扁桃体が赤くなってると思うわ。真っ白じゃなくて。

ともあれ、彼は彼女が高校を卒業するまで理性を保ちました。
そして、まずは彼女の母親に「娘さんに交際を申し込んでいいですか?」と許しを請います。
お母様は「こうなると思っていたよ」と答えたそうです。

彼が彼女の母親にまず話しを通したのは、とても大人な振舞いね。Noと言われたら本気であきらめるつもりだったかも。彼の誠実さが伝わったんじゃないかしら。

そうですね。
そんなふうに交際をスタートさせた二人ですが、なんとプロポーズは彼女の方からだったそうです。彼女は婚約指輪まで用意して「プロポーズは男がするって誰が決めたの?」と言い放ったそうです。

素敵な彼女ね。彼がずっと待っていてくれたことに感謝を表現したんだと思うわ。「もう待たなくていいのよ」って。

20歳の年の差カップルのストーリーでしたが、婚活に希望を持たれた方も多いのではないでしょうか。
妻の母親がキューピットの役割を果たしているのも素敵ですね。
二人が交際を始めて、門限は午後10時に決められていたそうですが、このお母様は手作りの「門限延長チケット」を彼にプレゼントしてくれたそうです。1時間券が2枚と、30分券が2枚。洒落たお母様ですね。

素敵なお母様ね。彼にしてみれば信任を受けているわけだから、かえって悪いことができないわね。
恋愛や結婚は家族や友人の理解があると安定した関係が続けやすいわね。親が原因で離婚する人って多いのよ。

そうですね。とても知的なお母様なんでしょうね。
さて、それでは今回の新婚さんのストーリーから得られた「出会いのヒント」をリストアップしてみましょう。ナオミさん、お願いします。

OK。それじゃあハニーたち、出会いのヒントをまとめていくわよ!

  • 共通の趣味や興味:このカップルの出会いは音楽、特に沖縄の伝統楽器、三線を通じたものでした。同じ趣味や興味を共有することは自然な会話のきっかけとなり、深い絆を築く土台ともなります。
  • 思いやるコミュニケーション:夫が妻の母親に思いを打ち明けて交際の許可を得たエピソードは、彼の誠実さを母親によく伝えています。また、妻がプロポーズをするという行為も新鮮で、相手を思いやる行いが良い結果を生んでいる好例です。
  • 恋愛感情を抑えて信頼を育む時間:夫は妻が高校を卒業するまで恋愛感情を封印し続けました。この期間が二人の絆を深め、理解し合うための時間となりました。
  • 親のサポートと理解:妻の母親の理解と協力が二人の恋愛を助けました。親の支持を得ることは、恋愛を進める上で重要なファクターとなります。
  • 年齢や社会的な規範にとらわれない:20歳もの年齢差があったにもかかわらず、二人は結ばれました。

自然な出会いは小さく始まる

「出会いが無い」と悩まれている方が多いのですが、今回のストーリーに触れてみて、出会いは小さく始まるものなのかなと感じました。見過ごしたり、聞き逃したりしてしまいそうな、ささやかな接点。
もちろん一目惚れみたいな出会いもありますが、今回の彼女も12歳の出会いの場面は「知らない人と一緒に三線を弾くのは嫌だった」と言っています。

そうよね。きっと些末な出会いが日常にはたくさんあって、でも私達はそれをスルーして忘れ去っていくのよ。
ただ、そんな中に、何かの作用で接点が強まる出会いがあって、それが進展するかしないかみたいな感じかな。今回は三線が接点だったわね。

小さな出会いを粗末にしないことが大事ですね。相手を選り好みしてせっかくの機会をムダにしてこなかったか、反省してみる必要もありそうです。

そうね。理想のパートナーについて固定的なイメージを持っていると、それに適う人以外は非対象になっちゃうのよね。
「出会いは小さく始まる」って仮定すれば、「理想のパートナー探し」というのは何か前提を欠いている気がするわ。種もまかずに収穫の準備をしているような…。
そうよ、「狩猟的な出会い」と「農耕的な出会い」があるのね。
たぶん「自然な出会い」ってそういうことなのよ。理想に適う相手をハンティングするような出会い方じゃなくて、小さな種の一粒がいつの間にか発芽して成長していくような出会い。なんか腑に落ちたわ。

つまり「接点」が「種」になるわけですね。
今回も良い気付きを得ることができました。読者の皆さんも出会いのヒントを得られたのではないでしょうか。
ナオミさん、今回も奥深いアドバイスを有難うございました。

こちらこそ勉強になったわ。
ねえ、ハニーたち。大切な出会いは思いがけない場面に待っているのよ。接点を磨いて、感度を上げていきましょ。あら、下ネタじゃないのよ。
それでは次回もまた新たな恋愛の話題でお会いしましょう。ハニーたちに良い出会いがありますように!