【50代の出会い】田舎の純朴な男性を選んだUターン婿取り娘の献身婚

(※イメージ画像は実在の人物ではありません)

50代・マッチングサイトでの出会い

こんにちは、ナビゲーターのFukuです。今日も「新婚さんいらっしゃい!」に登場したご夫婦のエピソードを拝見しながら出会いのヒントを探っていきましょう。今日のゲストはドラッグクイーンのアザミさんです。宜しくお願いします。

こんにちは、アザミです。少し性格がキツくて毒舌を振るっちゃうこともあるんだけど、噛みついたりはしないから怖がらなくていいのよ。年齢?オカマに年齢なんか訊かないものよ。でもう50年もこんなふうにして生きてるの。オバケじゃないのよ。まぁ、今日はよろしく。

今回はご夫婦ともに 57才の新婚さんです。特徴的なポイントは、
1.50代でマッチングサイトを介して出会った
2.一見して女性には縁のなさそうなご主人のキャラクター
3.婿養子が結婚の条件だった

今のところ以上が気になったところです。一つずつ見ていきましょう。

そうね。どれも出会いには足かせになるような悪条件。どう克服したのか興味深いわね。良いヒントが得られそうな新婚さんだわ。

まずは「50代の出会い」についてですが、妻は長く東京で暮らしていて、秋田県の内陸部にある実家は漬物屋を営んでいました。そんな中、母親が他界し、彼女は実家を継ぐためにUターンしました。結婚歴はなく、父親の「名字を残したい」という希望を受けて、マッチングサイトで婿養子になってくれる男性を探し始めます。

実家を継ぐために帰郷するという決断は簡単なことじゃないわ。おそらく彼女の中では「跡取り娘」の呪縛がずっとあって、
「婿養子になっていずれは一緒に秋田の漬物屋を継いでくれる男性以外は✖」
という難しすぎる課題があったんだと思うわ。そんな男、東京にいないわよ。それが彼女の婚期を遅くしたのよ、きっと。

確かに。50代にしては笑顔のキラキラした容姿の可愛らしい女性ですし、20代や30代の頃は男性にモテただろうなと思います。バブルの頃ですね。

バブル…私たちのような夜の世界の住人にはいい時代だったわ。彼女も「ワンレンボデコン」でテクノカットの男たちにチヤホヤされてたでしょうに。でも秋田の漬物屋を継がなきゃいけないから、群がる男たちをフワリフワリとかわしていたのよ、きっと。

かりにそんな状況があったとして、それでも40代にもなると結婚を意識するような男性は現れなくなるでしょうね。まして跡取りの条件に適うような男性は。そんな時期を過ごして故郷の母が亡くなり、独り残った父の元へ帰郷したわけですね。それにしても50代女性の婿養子探し。かなり難しい課題のように思われます。私の目には娘にそんな宿命を負わせ続ける父親が頑なで愚かしく思えるのですが。

50代の父親だから80才前後でしょ。そこまで行くと変われないのよ、思考が固まっちゃって。大概の老人はそんな感じよ。おつむの柔軟な年寄りなんて十人に一人いればいいほう。

なるほど。でもその前時代的な習俗に付き合っている彼女は健気です。養育されていた長い時間の中で刷り込まれた価値観なんでしょうね。

マッチングしたのは「変な人」

マッチングサイト上でのファーストコンタクトですが、彼女は彼の誠実そうなメールが好印象だったそうです。でも、プロフィール写真には衝撃を受けたそうです。そして彼は…これは男性のほとんどがそうなのですが、彼女の容姿に心惹かれたそうです。

そのあたりは典型的ね。女性が男性をシビアに評価するのに対して、男性は女性の容姿ばかり見ている。でもそこで面白いのが、それぞれにとっての美人像が異なるってこと。確かに誰もが頷く美女もいるんだけど、その人だけにどうしようもなく魅力的に見える女性っているのよ。ダイバーシティって近頃よく耳にするでしょ。多様性のことだけど、それが男性の脳の生殖本能に関わる部分に組み込まれているのね。

それは面白いですね。確かに自分にとっての「超絶美女」が他の男性の目には十人並みに映っているとすれば有難いことです。泉谷しげるさんの歌で「俺の頭の中にはスゲェ美人がいるんだぜ~♪」って歌がありましたが、それに近い感じですね。

そうよ。男って本当にお馬鹿さんね。

さて、そうして初対面のデートに臨んだ二人でしたが、夫は彼女に会って「爆発しそうになった」と語っています。何が?って感じですが、少し落ち着いてからステーキ店へ行ったそうです。
でも緊張した彼は何を話していいのか分からず、ステーキを黙々と10分で食べ終えてしまったそうです。
「同じ県内とはいえ片道3時間も離れた町で暮らしていて、その中間で会ったんです。それなのに10分で食べて帰ろうって言うんです。変な人だと思いましたよ」と妻が笑って回想していました。

自分と対面して緊張して赤くなったり青くなったりしどろもどろな相手ってどんなかしら。興ざめする女性もいると思うけど、きっと彼女は彼の正直さや、真面目さ、そして自分をこの上なく「女性」として意識している様子に親しみを覚えたのかも知れないわね。「キモかわいい」みたいな。

なるほど。恋人やパートナーが自分の存在を映す鏡だとすれば、彼は彼女の存在を鮮明に映し返して見せたわけですね。それは出会いに臆病にならないための大事なポイントになる気がします。ダメでいいんですね。

その通りね。自分を装飾しても、長くは続かないわ。逆に、いっそダメな自分をさらけ出しちゃうぐらいのほうが、相手も分かりやすくていいんじゃないかしら。誠意をもって真剣に向き合うことが大切なの。だれも完璧なんて求めてないのよ。

婿養子の条件が障壁に

さて、そんなふうに交際を開始した二人でしたが、やはり妻の家の婿取り問題が重くのしかかってきます。夫も長男で、自身の両親も「墓は誰が守るんだ」と難色を示します。
ちなみに彼は離婚歴があると言っていましたが、私は田舎暮らしが長いので、彼のような純朴な正直者を何人も見てきました。嫁が同居の両親と折り合いが悪くて離婚したり、海外から花嫁を迎えてさんざん仕送りをさせられて結局逃げられてしまったりする男性が多くいます。そんなお人好しな雰囲気が彼にもある気がします。

そうね。彼のようなお人好しは誰も傷つけまいとして結局みんなの不信をかってしまったり、人を簡単に信じて裏切られたりすることも少なくないでしょうね。でもそんな失敗から少しずつ学んで行くのよ。結果として過去の失敗が成功につながることもあるし。

その婿取り問題に転機をもたらしたのが夫の病気でした。もともと「緑内障」という目の病気があり、それが悪化の兆しを見せて手術が必要になったのです。
そして、せっかく受けた手術も成功とはいいがたい結果だったそうですが、その間、彼女は甲斐甲斐しく彼を見舞い、「もし彼が失明したら私が支える」と決意したそうです。
その姿が彼の両親の心を動かしました。両親は「家のことは心配しなくていいから、お前は彼女に面倒を見てもらいなさい」と、彼を彼女の元へ送り出しました。

うーん、そのエピソード、本当に心を打つわね。ちょっとした映画みたい。彼女の決意が夫の両親を感動させたのね。相手を本当に思いやる心、それが何よりの信頼を生むって改めて学ばせてもらったわ。ただし、そんな結論に至るまでには、きっといろんな試練や困難があったんでしょうね。でもそれもまた、彼らの絆を深める結果に繋がったのかも。

どんな美麗なものにでも飽きてしまうことはあるし、反対に、いたって素朴なものに愛着がわいたり手放し難かったりということもあります。素材に良いところがあれば、いつか誰かの目に留まるんですね。99人に顧みられなくても、1人が手にとってくれればそれでいい。

その通りね。彼女は「理想は佐藤健」って言ってたんでしょ。イケメン俳優のファンだけど、結局は棟方志功みたいな容姿の男性と結ばれてる。最適なパートナーは見た目なんかより、共鳴する感覚で選ばれるのかもしれないわね。だから皆んな誰かの特別な存在になれる可能性があるの。

現在は夫の目の状態も良くなっていて、夫婦揃って「とっても幸せです」と満面の笑顔を見せておられました。50代からでもこんな幸せな結婚が可能だという良い事例でしたね。それでは「出会いのヒント」をリストアップしていきましょう。アザミさんお願いします。

わかったわ。二人のエピソードから私たちが得られる出会いのヒントを挙げてみるわね。

  • 年齢は関係ない:お二人は50代で出会い、結婚しました。歳を重ねても新しい人生のパートナーとの出会いは可能です。
  • ありのままの自分でいい:夫はとても素朴で誠実な人格を貫いていました。それが妻にも受け入れられ、結果的には二人を結びつけました。
  • 共鳴する1人を見出す:最適なパートナーは自分の思う「理想のタイプ」とは180°異なる特徴を有しているかも知れません。
  • 試練を超えることで絆が深まる:夫の緑内障という病気。一見、結婚を考える上でのマイナスポイントに見えますが、それを通じて二人の絆が深まりました。
  • 苦しい時を支え合う:病気の夫を支え続けたことが彼の両親の心を動かし、婿養子問題の解決に繋がりました。

「とっても幸せ」と笑顔の50代夫婦

今回はご主人のキャラが立っていましたが、奥様の思慮深さと芯の強さに感銘を受けました。そしてキラキラした明るい笑顔。秋田美人って、きっと彼女のような女性のことを言うんでしょうね。一点だけ、ご主人が奥様について悩みを打ち明けていましたが、彼女はなんと大酒飲みだそうです。

その大酒飲みのエピソードも含めて、秋田美人とはまさに彼女のような女性を指すのでしょう。彼女の強さと愛情の深さ、そしてその魅力的な笑顔は、いっぱい悩んできた証なのかも。
それと、彼の困難を一緒に乗り越えるという強い決意が、夫だけでなく夫の両親の心を動かしたわね。
彼女が大酒飲んで失禁したら、彼はその後始末ぐらいはするべきよ。たぶん30年後も支え合って暮らしているご夫婦だと思うわ。

本当にそうですね。出会いが遅かったぶん、これから末永く健康で幸せな時間を過ごしてほしいと思います。それでは今回はこの辺で。アザミさん、今日も北海道から有難うございました。

こちらこそ、素敵な新婚さんのストーリーに心が晴れやかになったわ。それでは、皆さんも良い出会いを。またご一緒しましょう。